イルカ研究所
MISSION 0、はじまり
出張先での激務が終わり、少し長めの休暇に入った俺は
暖かい日差しに抱かれ、ただ惰眠を貪っていた。

母体に抱かれる胎児のごとく、ゆらりゆらりと睡魔に身を任す。
普段忙しく動いてる俺には、これ以上ない贅沢に思える。

しかも明日は、忙しくて中々会えない彼女が家に遊びにくるのだ。
幸せでないはずがない。

そんなささやかな幸せが、ぶち壊されたのは休暇に入って
わずか2日目のことだった。

上司から「イルカ研究所の研究内容について」調べろ
との連絡が入ったのだ。

(いくら俺が下っ端諜報部員とは言え横暴だろっ?!)

何とか休暇を続行しようと、意地汚く粘る俺に上司は言った。
「決定事項だ。返事は、”はい”か”YES”で答えろ」

(うぅ、彼女に今度こそ愛想付かされる…。)

今回ほど、上司を恨んだことはない。

なにかが滲んで目の前が見えづらいのを堪え任務先に向かうのだった。



***



研究所は大きな岩で囲まれた場所にひっそりとあった。
俺は周囲を見渡す。

岩に囲まれた仄暗い水の底なのにも関わらず、
周囲は思いのほか明るい。

岩に付着している特殊な苔が発光している。
苔で明かり取りをしているのだろう。

辺りに人の気配はないが、見つからぬよう一歩づつ慎重に進む。
しばらくすると微かに話し声が聞こえてきた。

イカとタコがなにやら話しているようだが、
ここからでは、話の内容までは聞き取ることは出来ない。


気付かれないように接近を試み。
岩の影に隠れることに成功した俺はイカとタコの会話に耳を澄ませた。

先輩であるタコに、新人のイカが質問をしているようである。





これから諜報活動に入る。
** **
イルカ研究所
MISSION 1、「イルカとは何か」の謎を解明せよ! 
イカ
先輩、イルカって何なんですか?
タコ
イルカはクジラ類とされるクジラの仲間だ。
クジラとの境界は曖昧であり生態も形態も似通っている。
分類される種類は多く、シャチとも混同される種がある。

大まかにでも、マイルカ上科・マイルカ亜科 ・シワハイルカ亜科
ネズミイルカ科・ アマゾンカワイルカ科・ラプラタカワイルカ科・
ヨウスコウカワイルカ科 に別れ、そこからさらに属性に分かれる。

例: マイルカ科 (マイルカ亜科) - マイルカ属 - マイルカ
イカ
流石、先輩は詳しいですね!
それだけ種類が多いと覚えるの大変そう。
ボクも頑張らないと…ですね(苦笑)

色々教えてください、先輩!!
タコ

意気込みすぎて、バテないよう、程ほどにな。
まぁ、時間はあるんだ、少しずつ覚えていけばいいさ。
 
** **
イルカ研究所
MISSION 2、イルカの進化過程 
イカ
哺乳類って陸にいるもんなんじゃないんですか?
タコ
哺乳類であるイルカは陸上の哺乳類が
外敵から逃れるために海に住むことを選んだ種が
祖先であると言われ。
 
和歌山県の”くじらの博物館”では、胸びれ・背びれ・
尾びれとは別の第4のヒレを持つイルカを発見したと
正式に発表している。
イカ
へぇ!哺乳類は大昔に陸と海に別れたんですね。
 
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